おっさんと女子高生
弱くなった、か…。
違うよタク。彼女はもともと弱い。それを必死になって強く見せようとしてる。
ピンと張った綱の上をグラグラと危なげに綱渡りしてるような奴だ。
弱さが他人に見えるようになったということは、彼女の身に強さが揺らぐような何かがあったのか。
やめた。こんなこと考えていても仕方がない。彼女とはもう何でもない。
暫く来ないと言った。もしかしたらもう来ないとも言った。
俺は、彼女はもう姿を見せないと根拠のない確信を持っていた。次第に彼女の顔も声も忘れて、ただ独り寂しく暮らしてゆくのだ。