おっさんと女子高生
コンビニに行こうと床に散らばっていた小銭をかき集めて、じゃらじゃらとジャージのポケットに入れた。
深夜、電灯の少ないコンビニまでの道は心細い。家が両脇に建ち並んでいるのに灯りがついてないため人がいるとは思えないほど静かだ。
10メートル先にコンビニが暗闇の中にぽっかりと浮かんでいて、少しほっとする。
彼女と初めて会ったのもこんな夜で、それで――。
缶ビールと弁当をレジまでもっていく。
「温めますよね?割り箸も入れておきまーす」
すっかり顔馴染みになったコンビニのにーちゃんは、俺の返事を待たずに弁当をレンジで温めだす。
――――あの日は確か金が足りなくて、彼女すっと払ってくれて…。
もしかしたらと思ったが、何事もなく代金を払い店を出た。再び寂しい夜道を歩く。