おっさんと女子高生
ぼーっとしながら歩いていると、スピードの出た黒いワンボックスカーが体すれすれで追い越していく。
あぶねぇ。深夜の住宅街だからといってあんな突っ走りやがって。いつか事故るぞ。
イライラしながら袋から缶ビールを取りだした。
プシュっと爽やかな音が響き、続いてゴクゴクと喉をならしてビールを飲み込む。
チビチビと飲みながらさらに歩くと、市営団地が建ち並ぶ道にさしかかる。その団地には付属している小さな公園がある。
滑り台、ブランコに砂場と公園の定番遊具と藤棚があり、藤棚の下にはボロボロのベンチがある。数メートル先に電灯があるだけなので、夕方になると子供たちは一斉に公園を後にする。
その公園の入り口に、先ほどの黒いワンボックスカーがとまっている。こんな夜中に、こんな真っ暗な公園でいったい何をしようとしてんだ…。