おっさんと女子高生
弟が産まれてからアイツはさらに帰りが遅くなった。
後で知ったのだけれど、アイツ浮気し始めたのはその頃。
女の所に行ってたから帰りが遅い。仕事じゃなかったの。
でもそんなこと保育園児の私は全く知らなくて、お母さんの役にたつことばかり考えた。
お姉ちゃんだからお母さんのお手伝いしなきゃって。弟のミルクも作れたし、オムツもかえれたし、お茶碗洗いだってできた。
私とお母さんはこんなに頑張ってる。なのにアイツは何をやってるんだ。そんなに仕事が大切なんだ。
お母さんがアイツに浮気を疑い始めたのと同時に、私も父親としてのアイツに不信感を抱き始めた。
弟は成長してもぜんぜんおとなしくならなくて、一日中動いて悪戯して泣いて…。本当に手のかかる子だった。アイツの母親は弟を悪魔の子だって罵った。
お前の血が流れてるからだ。お母さんと会うたびにそういう小言を撒き散らしてた。