おっさんと女子高生
私は一人部屋をねだった。それからテレビもつけって。
部屋ができてから私はそこから出なくなった。誰とも話さなくなった。
アイツはたまに帰ってきて、夜中にお母さんと大喧嘩して、弟二人が泣いて、それが聞こえないようにテレビをつけた。
でも薄いマンションの壁。隣はアイツの寝室。テレビの音なんてたかが知れてる。なのに私の泣き声は紛れて誰も気づかない。
アイツは数日おきに帰ってきてたけど、プツリと帰らなくなった。生活費は、アイツが給料日の次の日にポストの中に入れていた。十万円で、そこから光熱費を払い、食費を払い、一ヶ月やりくりしてた。
お母さんの服は近所のお母さんのお下がりで、私も数枚の服を着回していた。