おっさんと女子高生

お母さんが仕事に離婚調停にと走り回っているころ、私はもう中学生だった。

おっさんは信じられないかもしれないけど、学校ではいつも笑っていた。笑いあれば福来る、今日も頑張るぞって、そう思ってから布団から出た。
頑張れば神様も認めてくれると思って、中学に入学してから一回も休まなかった。

相変わらず家ではしゃべらなかったけど、そのぶん学校でよくしゃべった。もうすぐ終わる。そう思うと楽しかった。

やっと離婚できたのは中三の始め。苗字はそのままにした。
アイツの母親はそれを嬉しがってたみたいだった。

家賃が払えないので引っ越すことにした。そこから車で三十分のお母さんの実家。

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