おっさんと女子高生
祖父母が住む小さな一軒家。トイレは外。私の部屋は二畳になった。
中学はあと少しだから転校しない方がいい。そっちの学校、荒れてるみたいだから。担任とお母さんに言われて、学校はお母さんが車で送り迎えしてくれた。
弟二人はまだ落ち着きがなかった。夜中に家中を走り回った。
夜7時に寝る祖父はそれが堪えきれなかったらしい。酒をのんで酔っ払い、包丁を振り回した。
私はそれを聞きながらひたすら机に向かった。受験生だった。私立の高校なんて行けるはずがない。公立の学校に行って、それから大学に行って、就職して、絶対に幸せになってやる。
必死になっても祖父の怒号は聞こえた。毎晩のように聞いていたアイツとお母さんの喧騒を思い出す。