おっさんと女子高生
泣きながら勉強した数ヶ月。夜逃げするようにお母さんの実家から出て、私の通っていた学校近くにアパートを借りた。
市営団地の部屋は借りれなかった。子供が三人いる。それだけでどこも首を縦にふらなかった。
だからようやく見つけたアパートだった。
お母さんは頼る人が誰もいなくなった。実家とは絶縁に近い状態になってた。
私はというと、推薦で公立の高校に入学できた。母子家庭で優遇されたのもあるが、皆勤だったのも合格した要因だった。
神様はいたんだ。頑張った甲斐があった。そう思ってた。
弟たちも悪い虫がとれたかのようにおとなしくなった。家ぜんぜんしゃべらなかった私だけど、少しずつ口を開くようになった。
弟に話しかけると嬉しそうに笑ってくれて、可愛いと思うようになった。
お母さんは夕方からスーパーのバイトに出かけるから、晩ごはんは三人で一緒に作って食べた。