おっさんと女子高生
その話を聞かされて、私はさも興味がなさそうに頷いた。
アイツに未練なんてない。お母さんと同じ苗字がいい。
でもその夜一人で泣いた。アイツはどうしようもない奴だってわかってるはずだった。
でも心のどこかで思ってた。アイツは私のお父さんで、少しでも私を娘として可愛いがってくれていたに違いない。
だからショックだった。お母さんじゃない別の女と子どもをつくっていたことに。今度こそ本当に裏切られた気分だった。
何よりショックなのが、もう他人になったはずの父親、嫌いだったはずの父親の裏切りに対して、ショックを受けたことがショックだった。
記憶の中から取り除いたはずのアイツは、まだ私の記憶にしがみついていた。