おっさんと女子高生

女の私が大学になんか行かなくてもいい。頑張って働いてお金を貯めて、弟達が私大でも専門学校でも行きたい学校に行かせてあげれるようにしよう。

私のかわりに立派な大人になって、お母さんとお姉ちゃんのお陰だよ、ありがとう、そう言ってくれればそれでいい。それで幸せ。それが幸せになるための一番の近道。

国立の大学、前期試験で受かってたの。第一志望校。やりたい勉強ができる学科に受かったの。でも入学金が払えないし、教科書だって買えない。貯めてたお金、生活費に使って無くなっちゃったの。お母さんは隠してるみたいだけど。

お母さん、一人で泣いてた。アイツが憎いって。私たちの苦しみを知らないで平穏な生活を送っているアイツの女と子どもが憎いって。
< 85 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop