おっさんと女子高生
「お嬢ちゃんのこと、もう“赤の他人”だなんて思えねぇよ」
口から勝手に飛びでたその言葉は、特になんの深い意味のないものだった。なのに血管の中の血液が沸騰したように体が熱くなり、心臓が激しく鼓動する。
もしかしたら、深い意味、含まれていたのかもしれない。
「………どういう意味?」
キョトンとして腫れぼったい目で俺の顔を覗きこむ。湿った唇が艶かしく動くのを思わず見つめてしまう。
「お嬢ちゃんが大人になるまで言わねぇよ。大学に入って卒業したら立派な大人だ。その時もしお嬢ちゃんが俺の側にいたら、そしたらちゃんと言う」
「何を言うの?」
「だから、」
なかなか伝わらないもどかしさに苛々。察しろよ、こういうの慣れてねぇんだから。