バイオレンス・ダーリン!?

 犬と格付けされたことに、慎吾は不服も何もないらしい。むしろ嬉しそうなのは本当に気のせいなのか?

 黙って流し目すれば、通行人をバッタバッタ倒せそうな恵まれたルックスだというのに、何か人生間違っているぞ。矢柴慎吾。


「あはは……」


 花那はとりあえず笑っとけとばかりに笑った。

 このやり取りが、掛け合い――というか夫婦漫才、いや、主従漫才として人気を博しているのだ。いろんな意味でクラスの人気者である。


「あ、そうだ。50年経っても進歩のなさそうな主従漫才見せられて、すっかり忘れてた」

「何気に毒吐いてるぞ、花那」

「まあまあ気にしないで。それより今朝、すっごいことがあったの! 聞いて聞いて!」

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