バイオレンス・ダーリン!?
「いじめるなんて、めっそうもない。そんなことしたら、下僕の方にとんでもない報復されそうだもんね。
あたしだって命は惜しいわ」
波月の下僕と呼ばれ、慎吾はあいまいに笑いかけた。否定とも肯定とも取れる笑みだった。
――彼だけは敵に回してはいけない。花那は本能的にそう思っていた。
そして彼を敵に回さぬ唯一無二の方法が、波月の味方でいることである。
まさにその関係は、女王としもべ。
……じゃなかった。お姫様とナイト。波月が大事に大事に守られていることは、誰の目にも明らかだった。
そこに恋心が含まれているかどうかだけ、量りかねていたけれど。