バイオレンス・ダーリン!?
2話 ジャージ美人の正体

「で、そのジャージ美人はいったいどこの誰なわけ?」

「いやー、それがさっぱり。
通学路で出会ったっていっても、学校や部活指定のジャージじゃなかったから、うちの生徒とは限らないし」


 一時間目の自習中。ようやく気絶より復活してきた波月が聞けば、花那は肩をすくめて見せる。

 誤解は解いたというのに、百合疑惑が未だ脳裏にこびりついて離れないのか、それを聞いて波月はご機嫌でにんまりした。茶化すように。


「そんなに気に入ったなら、スッポンのよーに喰らいついて、意地でも名前を聞き出せばよかったのに」

「オトコマエの波月と違って、あたし普通の女の子だし。そんな豪胆なこと出来ないよ」


 毒を吐かせれば花那の方が一枚上手。
 逆にやり込められてしまい、波月はうぅっとうなった。かなり悔しそうだ。

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