バイオレンス・ダーリン!?
「ハァ……ま、いいわ。それより慎吾、今日どうするの?」
「ああ、バスケ部の勧誘?」
「あれ、またなんだ。先週はサッカー部だったよね。確か」
ちなみに花那の言葉を補うなら、先々週は野球部、更にその前はテニス部に陸上部である。
小・中学校と特定の部に所属していたというわけでもないのに、どういうわけか高校でもこの矢柴慎吾という男の運動神経の良さは有名で、入学するなり各部が躍起になって矢柴スカウトに乗り出しているのだった。
「とりあえず練習の見学には行くかな。そこは礼儀として。でも今回も断るつもりだよ」
「でも矢柴君、この間隣のクラスと試合して、バスケ部員が3人もいるのに圧勝しちゃったじゃない。
才能あるのにもったいなくないかな」