バイオレンス・ダーリン!?

「あー花那、それは無理。ぜったいムリ。慎吾はお祭り事でないと本気にならないから。
部活とか泣けるほど向いてない」

「あのさあ波月、本当のことでもそうハッキリ言われると、ちょっと傷つくなー」


 ニコニコしながら言っても、信ぴょう性のカケラもない。この男はわかってて言っているのだろうか。

 ……いや、この男、少なくとも学校にいる間はずっと、このテレビ用にもイケるスマイルのままだ。バリエーションはあるが、基本笑顔は揺るがない。


 まあ、万が一怒るか泣くかするとしたら、確実に波月関連だろうなというのが花那の予想である。


「そう、わかった。じゃあ今日はあたし、バイトの申し込みに行くから。ひとりで行ってらっしゃい」

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