バイオレンス・ダーリン!?

 そんなことまでさせてたのか。女王様は。

 ……いや、この場合、確実に慎吾が進んでやっていたに違いない。


 そのある種の猫可愛がりと互いの性格とが、周囲に主従関係を思わせるのだ。
 いい加減、それに気付いてもよさそうなものを。


「うぅっ……!」

「だから一緒に来て。お願いー」


 トドメとばかりに、ちょこんと首をかしげて目をキラキラさせた。
 それはさながら、ペットショップの小さなチワワ。

 しかしどうでもいいが、大の男――それもぼーっと突っ立ってるだけで、雑誌の表紙を飾れそうな恵まれた姿の男が、いちいち語尾を伸ばすのはいかがなものか。


 傍観者を決め込んでいた花那は思う。

 この堅固に見えてその実もろい、波月の牙城が崩れるのも時間の問題だと。





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