バイオレンス・ダーリン!?
「で、なんであたしまで一緒に来てるのかな」
「とか言いつつ、『面白そう』って顔に書いてあるんですけど?」
そりゃそうだ。慎吾・波月のコンビ行くところ、愉快なことが起こるのは目に見えているのだから。
波月のツッコミに、『バレた?』と言って花那はいたずらっぽく笑った。
放課後の体育館。
その周囲をぐるりと女子・乙女系男子が取り囲んでいる。
その狂乱とも呼べる熱狂ぶりは、昔の熱を失って久しいとされる高校生にも、燃え上がるソウルが確かにあるのだと思わせた。
こんなところで思われるのも、昔の高校生たちに失礼な気もするが。
「お、矢柴じゃねえか! よしよし、ちゃんと来たんだな。感心感心」
壁のようなギャラリーの隙間を抜けて、『よっ』と手を上げてみせたのは、今回のバスケ部のスカウト役で、同じ中学校出身の先輩である。