バイオレンス・ダーリン!?
中学時代の球技大会で、例のごとく鬼のよーな活躍を見せた慎吾の噂を聞きつけた彼は、以来ずっと目をつけていたのだ。
当然、中学の時もしつこくスカウト活動を続けていた。ことごとく無駄な努力に終わったが。
各部のスカウト合戦は、そういった口コミ効果も非常に高い。
だから面倒だ、と慎吾が思っいても、自業自得の線が濃厚なのである。
「何度言われても、入部しませんよ。
いつか言ったかもしれませんけど、俺、いつも応援してくれる子がいないと、熱くなれないタイプなんで」
「じゃあ特別に俺が応援してやる。
キャー、慎吾ちゃんがんばってー!」
「殴りますよ?」
キラッキラ輝く笑顔で脅迫した。
よっぽど嫌だったらしい。先輩相手に本気で拳を握りしめている。