バイオレンス・ダーリン!?

 自分が命がけのギャグを飛ばしていたということに気付いた先輩は、あわてて言葉をにごした。

 誰だってわが身は可愛いものだ。


「いやいや、それは冗談だ。ぶっそうなものは早くおろせ。
な。ほら、幼なじみちゃんに応援してもらったらどうだ? なんならマネージャーにしてもらえるように、キャプテンに掛け合ってもいいぞ」

「波月を巻き込まないで下さい。ああ見えて打たれ弱いんですから」

「ああ見えてってどーいう意味だっ! この犬っコロ!」


 聞いての通りだと思うけど。
 そう思ったが、あえてツッコミは入れない花那。先輩もまたしかり。



 そもそも、なんとも血を見そうな嫌な話である。

 女子マネの座を狙う者は後を絶たない。
現マネも、スキを見せればその栄誉ある座から引きずり落とされかねないのが現状。

 それを部員ひとり引き入れるために、特別待遇で迎え入れるとあっては、流血事件すら起きかねない。 

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