バイオレンス・ダーリン!?
どんだけ小さいんだ。もしや部員と見せかけて女子マネか? と花那は眉をひそめた。
――こんな女子マネだったら、癒しにもなりやしねえ。
「お、おお。悪い。ほら、キャプテンたちにも話してただろ? 俺と同じ中学だった矢柴だよ。バスケ経験はないんだけど、これがやたらと上手くて――」
「見学するのなら勝手にさせておけ。ガキみたいに面倒見てやる必要はない」
「いや、そうは言うけどさ、俺が入部に乗り気じゃないこいつを無理やり呼びつけたようなもんだし」
一応、無理を言っていた自覚はあったのか。場違いに慎吾は思う。
一触即発のこの空気の中、飼いワンコはどこまでものほほんだった。
「生半可な気持ちで入部されたら迷惑だ。本気でやる覚悟がないなら帰らせろ」
なんて無茶苦茶な。
部活に命賭けてる熱血野郎、と言えば聞こえはいいが、ただ単にガンコ頭なだけである。
しかも、どれだけの権力持ちやら知らないが、激しく横暴でもあった。