バイオレンス・ダーリン!?

 ジャージ美人は花那の顔を見て、今朝の記憶に思い至ったらしく、不快感を隠そうともせず吐き捨てた。


「俺の目の前から消えろ。目障りだ」


 ガン、と後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を覚えた花那。

 確かに、初対面から友好的な空気をまるで感じ取れなかった相手だけれど、まさかここまでロコツに拒絶されるとは。


「朝っぱらから不良なんかにからまれやがって。迷惑極まりない」


 ガツン、と更に追い打ち。

 そりゃ助けてもらったから当然迷惑はかけてるだろうけど、そこまではっきり言うこともないんじゃない? こっちは被害者なのに!
 花那は心の中で嘆いた。


「わかったらとっとと帰れ」


 とどめとばかりに、しっしっと手で追い払う仕草をした。
美人顔なだけに、にらまれるととんでもなく怖い。

 傍から見ていた波月やその他大勢のギャラリーですら、その眼力に圧倒されてしまっている。

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