バイオレンス・ダーリン!?
一瞬、無視して全力疾走してやろうかとも思ったが、花那は大人しく振り返った。
逃げるものを追いたくなるという、野性の本能が色濃く残っている奴らに、それは逆効果というものだった。
「……なにか?」
不快にも、もちろん嬉しそうにも見えない花那の表情はまったくの無。
しかし動物並に神経が太く出来ている太古の種族の生き残り・不良は、そんなことを気に留めやしない。
「学校なんて行ってもつまんねえだろ? 今から俺らに付き合えよ」
こってこての改造バイクをパペンパペンと叩きながら、自分ではカッコイイと思っている(しかし人間の美意識には、威嚇としか映らない)笑みを向けてくる。