浮気、始めました。
「そうそう、みんな軽く挨拶しておいてね」
先生が周りにそう呼びかけると、すぐに女の子がこっちに来た。
「一年生だよねえ!?名前なんていうの!?」
びっくりした。
なんというか・・・パワフル。
でも元気な子は好きだし、
こんな私でも仲良くなれるかな。
「梨沙・・・桜井梨沙です!」
「梨沙ね!わたし実来!んであっちのガキが~」
「ガキじゃねえよ!」
さっきの茶色い男の子が勉強道具を片づけながらこっちに目を向けた。
「あれは永田ね!ただのうっざいガキ!」
「うるせえよこのオバサン!」
「あーはいはい」
実来はうるさそうに目を細めたけど、
すぐにぱっと明るい顔になった。
「ねえ!せっかくだしこの後どっか寄ってかない?」
誘ってくれた!
「うん!」
「じゃあどっかファミレス行こ!あ、永田も来るでしょ?」
「しょーがねえなあ。付き合ってやるよ」
そう言いながら男の子・・・
永田くんはニヤリと笑っていてうれしそうだった。
「はい行くよー!先生さようなら!」
先生は私を迎えてくれた時とおなじ優しい顔で
気をつけてね、と言ってくれた。
それにしても実来はほんとうに元気な子だ。
はやくついていかないと
置いていかれちゃいそう。
「ほらぁ~梨沙ぁ早くぅ!!!!」
やっぱり呼んでた。(笑)