悪魔の熱情リブレット
「最もな意見ですね」
長い廊下を通り抜け、大勢の悪魔達が集まる広間へ出る。
そこは数えきれないほどの悪魔でごった返していた。
「うわ…。むさ苦しい…」
アーチ形に湾曲している高い天井から、無数に吊られた灯が辺りを照らす。
どんな連中が来ているのかと観察するアンドラス。
皆、一癖どころか二癖もある奴らばかりだ。
広間にはフェニックスの魅惑的な歌声が響き、一同を酔わせている。
そんな中でビフロンスが燭台の蝋燭に火を点し、その隣でフルフルが室内に雨を降らせている。
雨はフルフルの気分によって降ったり止んだりするため、ビフロンスは雨のせいで火が消える度に新たな火を点す。
中央にある巨大な円卓にはニスロクがつくった料理がところ狭しと並べられており、空中を飛んでいる野鳥姿のシャックスがそれらを掠め取っている。
巨大な円卓には千以上の悪魔が余裕で座れるほどの数の席があり、それぞれ思い思いの席に悪魔達は座っていた。
もちろん立って酒を飲んでいる悪魔もいる。
皆、やりたい放題だ。
しかしそれが当たり前。
ここにマナーなど存在しないのだから。