悪魔の熱情リブレット
「くっ!!」
炎を剣で断ち切りながらベッドにいる二人を見やる。
未だアンドラスに手を伸ばすゴモリーに、余裕そうな表情でこの状況を楽しんでいるルシファー。
「私に勝てるとでも?愚かな…」
漆黒の悪魔はアンドラスを嘲ると、人差し指を彼に向けた。
「まずは、その仮面を外せ。王の前で無礼だぞ」
ルシファーが人差し指を軽く上に動かすとアンドラスの体が不自然に吹っ飛んだ。
「アンドラス!!」
バシンが不安げに叫ぶ。
アンドラスは顔を床に叩きつけられ、小さく呻いた。
今の衝撃で仮面は外れ、彼の足元に転がる。
「…やってくれるね…」
血の混じった唾を吐き出しながら笑みを零す破壊の悪魔。
「久々にスイッチいれようかな、とか考えちゃうよ…?」
彼の隠れた金色の瞳が獲物を見つめて光った。
再び剣を持ち、構える。
「はああああああぁぁぁ!!!!!!!」
物凄い速さでルシファーに詰め寄り剣を振るうが、相手の鋭く頑丈な爪に軽々と受け流された。