悪魔の熱情リブレット

すぐさま次の攻撃を繰り出すアンドラス。

そして、全ての攻撃を弾き返していくルシファーの恐るべき爪。

頭上で始まった攻防戦にティアナは怯えた。

それに気づいたルシファーが面白そうにアンドラスに言った。

「ほら見ろ。お前のせいでティアナが怖がっているぞ?」

「貴様!なぜティアナに手を出した!!」

「お前には…あまり関係ないな…」

ルシファーはアンドラスの心臓を狙って右腕を突き出した。

「させないよ!!」

彼は剣でルシファーの右腕を素早く切り落とした。



はずだった。



「甘いな…」

黒い悪魔の天使の微笑み。

次の瞬間、ルシファーはアンドラスの心臓を右手で貫いた。


「いやあああぁぁ!!!!!!!」


悲鳴しか上げられない。

ティアナは放心状態でアンドラスを見つめた。

「げ、幻覚、か…ペテン師め…」

アンドラスは自分が切った右腕はルシファーが見せた幻だったと気がついた。

「破壊の悪魔は正々堂々が身上だったか…?それは悪いことをしたなぁ?」


< 126 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop