悪魔の熱情リブレット
痛みに耐えながらも、剣を真っ直ぐルシファーの顔に突きつけて吠える。
「俺様も知りたいな。シャッテンブルクにあった『悪魔の書』。あれがお嬢ちゃんの住む町にあったのは偶然じゃないだろ?あんたの仕業か…?」
バシンの言葉にアンドラスとティアナは疑問を覚えた。
(『悪魔の書』…?)
二人の思考を遮るようにルシファーが笑い出す。
「いいだろう…。教えてやる」
彼は自分の首を持ち上げ、正しい位置に戻した。
そして切断された首筋を優しくひとなでする。
すると、不思議なことに彼の首は元通りに繋がった。
そこには傷跡すら見受けられない。
「これで話がしやすいな」
――さて、どこから話そうか?
こうして悪魔ルシファーはティアナとの出会いを語り始めた。