悪魔の熱情リブレット
「そしてシャッテンブルクでは血が流れ、残酷な予言をした老婆は魔女として有名になり人々に殺された」
淡々と語ったルシファー。
「ティアナとの出会い、『悪魔の書』があった理由…。これで満足か…?」
「ようするに、僕らは…貴様に、利用されたってわけ?」
アンドラスが憎々しげに問う。
「そうなるな。契約者の望みを叶えるために他の人間や悪魔を利用したのだ。だが、あの小娘が生き残っていたのは計算外だった。呼び出されたお前がとっくに殺していたかと思っていたが…彼女は生かされ、成長した。ククッ…興味をそそられるだろう?悪魔に育てられた人間の少女とは…傑作だ!」
盛大に笑うルシファーを、ティアナは恐怖の瞳で見つめることしかできない。
「それがお嬢ちゃんに近づいた理由か…」
「興味もそうだが、礼もしたくてな。あの時ティアナがいてくれたおかげで、結果的に多くの人間の魂を地獄送りにすることができたのだからな」
(え…?)
ティアナは自分の耳を疑った。
「地獄、送り…?」
おうむ返しに尋ねる。