悪魔の熱情リブレット
「え…?」
ティアナは愕然とした。
「え…?でも、あの時…好きって…」
心が冷えていく。
ティアナは目線を泳がせ必死で考える。
(何で?アンドラスの言葉はうそだったの?私のこと、本当は…)
――キ、ラ、イ…?
無意識に涙が頬を伝う。
「いや…きらいに、ならないで…アンドラス…」
徐々に涙は洪水となり、彼女の清んだ瞳から溢れ出す。
「好きなの…アンドラスに、きらわれたく、ないの…だから…だから…!」
「じゃあ、僕が一番好き?」
「え?」
「シルヴェスターよりも、僕を好きになれる?」
目を丸くするティアナ。
「好き」に優劣など考えたこともなかった。
けれど、一つだけわかっていること。
「そしたら、私はアンドラスの一番になれるの?」
好かれたいと思ったのはアンドラスただ一人。
「いいよ。僕の一番は君だよ。ティアナ」
優しい優しい声。
「アンドラス、好き…」
ティアナは白い悪魔に抱き着いた。
「ティアナ、こういう時はちょっと言葉が違うかな?」