悪魔の熱情リブレット
(もっと強くなるから、そしたら…)
シャッテンブルクに視線を移す。
あそこには悪魔がいるらしい。
(さっきの悪魔が噂のシャッテンブルクの悪魔なら、彼女はきっとあの町に連れていかれたはず)
悪魔は少女を殺さなかった。
なら、まだ希望はある。
彼は名も知らぬ少女を想い、誓う。
――必ず、助けに来るから…!
一目見た瞬間に惚れてしまった清らかさを思い出し、呟く。
「俺の天使…」
悪魔と少女の間に舞い込んできた存在は、物語を嵐の中へと引きずり込む。
運命に翻弄される彼らが見るものは、希望か絶望か。
はたまた、その両方か。