悪魔の熱情リブレット
さて、夏の終わり頃の時期だった。
ティアナの描いた絵が増えてきたということで、使っていない部屋にまとめて飾っておこうという話になった。
二階のティアナの部屋を出て左手側に細い廊下があり、その奥には物置のような部屋が一つある。
この日、シルヴェスターとティアナ、それから暇してやって来たオセーはその空き部屋掃除に専念していた。
「うっぷ!汚いな」
豹の姿で室内を嗅ぎ回るオセー。
「まずは窓を全開にして空気の入れ換えを」
シルヴェスターの言葉にティアナは小さい窓を開けた。
「開けたよ~」
「ではティアナ様、これを…」
彼が持っていたのは家事用のエプロンと箒。
「これ、つけるの?」
「はい」
ティアナはエプロンを受け取ると早速それを装着した。
「始めましょうか。ティアナ様、自分と同じように掃いていって下さい」
シルヴェスターの箒テクニックを見様見真似で会得しようと頑張るティアナ。
そんな彼らをオセーは尻尾を振りながら応援していた。