悪魔の熱情リブレット
事は唐突に起こった。
「は?僕の部下が何だって!?」
食堂で朝食を食べているティアナの隣で素っ頓狂な声を上げたアンドラス。
「だから~!アンドラスの部下が魔界で大暴れ~!」
ヴォラクは全く危機感のない調子で言った。
「ベリアルと喧嘩衝突して大変なんです。止めに来て下さい」
サリエルが困った表情で溜息をつく。
彼らの話によると、アンドラスの部下の悪魔達がベリアルという悪魔を潰そうと暴れ回っているらしい。
「馬鹿ばっかりだな…。ベリアルに喧嘩売って勝てるわけないのに…」
「ですが、貴方なら互角でしょう?」
サリエルの言葉に白い悪魔は口角を吊り上げた。
「まっ、ベリアルとは久しぶりだしね。ちょっと遊んであげてもいいかな」
「止めるんですよ?アンドラス。誰も一緒に暴れて下さいとは言ってません」
悪魔達の会話を聞きながら、ティアナはパンをスープに浸した。
「じゃ、行ってくるよ。今日中には戻るから。シルヴェスターはここにいて」
「わかりました」