悪魔の熱情リブレット



 ところ変わって魔界の一画。

荒れた大地に佇む金髪の悪魔は、自分の手に付着した血を舐めて笑った。

周りには無惨に細切れにされた悪魔達の肉塊が転がっている。

この悪魔達は他でもない、アンドラスの部下だ。

このような姿になってもまだ生きているが、再生にはかなり時間がかかるだろう。

「やってくれたね。ベリアル」

どこからともなく現れた仮面を被った破壊の悪魔に、ベリアルは笑みを深めた。

「こいつらが先に襲い掛かってきたのだ。悪く思うなよ」

「ハッ!嘘つきの言い訳なんか聞きたくもないね!貴様が先に何かしたんでしょ?じゃなかったら、躾の行き届いた僕の部下が無断でおっぱじめるわけないさ!」

剣を出現させ構える。

「我は少し言ってやっただけだ」

血がこびりついた爪を噛みながら、妖しく瞳を煌めかす金髪の悪魔。

「破壊の化身は人間と暮らすほど軟弱になったそうだ…とな」

その瞬間、アンドラスから凄まじい気が放出された。

「何だ…。僕に喧嘩売ってたのか…」

怒りを込めて魔力を遠慮なく解き放つ。


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