悪魔の熱情リブレット
第十三幕
壊滅的な状況にある部下の肉塊をちまちま拾い集めること数時間。
アンドラスは地獄での自分の住まいにそれらを運び、無事だった部下に再生するまでの見張りを頼んだ。
彼らが元の形に戻るまでかなりの時が必要だろう。
(気長に待つか…)
小さく溜息をつき、それからちらりとシルヴェスターを見る。
もう血は止まり、傷が回復し始めた彼の胸。
「よし、戻るよ」
シルヴェスターは無言で頷き、破れた服とアンドラスの仮面を持った。
「早く帰ってあげないと、ティアナが寂しがるからね」
そんなことを言いつつ、三日も帰って来ないほど戦いを楽しんでいたのはどこのどいつだ、なんていうちょっとした文句は心の中にしまっておくシルヴェスターだった。
さて、白い悪魔は剣を振りかざし、空中を力強く切り裂いた。
するとその部分にぽっかりと穴が空き、人間界に繋がる道が開かれた。
「うん、上出来。穴が塞がる前に行くよ」
彼らは何の不安も抱かずにシャッテンブルクへ戻った。
墓場に繋がっていた道。
アンドラス達は山上の教会の墓地から這い出した。
「さーてと、ティアナはどこに…ん?」
すると突然、上擦った声を上げた白い悪魔。