悪魔の熱情リブレット
びっくりしてライナルトの陰に隠れたティアナ。
「あ、いや…べつに」
友の歯切れの悪い返答に、威勢良く声をかけてきた男性は訝しげな視線を送った。
「何だ何だ?何か隠し事か~?」
「ねえ、見て!誰かいるわ!」
ライナルトの後ろにいたティアナを見つけ、女性の一人が声を荒げる。
「お?誰誰?可愛いな~」
無理矢理三人の前に引き出されたティアナ。
恐々と顔を上げる。
人懐っこそうな黒髪の青年に、顔のそっくりな二人の金髪の女性。
「ライナルト、誰?この子」
金髪女性の一人が甲高い声で尋ねた。
気のせいだろうか。
ティアナは睨まれているような感じがした。
「えーっと…俺の、天使…」
恥ずかしげに小さな声で言ったライナルト。
その答えで伝わったのか、黒髪の青年はにやにやと笑い出し、女性達は驚きを隠せずにティアナを見つめた。
「とうとう『天使』と再会か!良かったな!おめでとライナルト!」
素直に喜ぶ青年に対して女性達は違った。
さらに憎々しげな眼差しをティアナにぶつける。