悪魔の熱情リブレット

大声で部下を呼ぶ。

突然の呼び出しに慌てて駆けつけるシルヴェスター。

「どうしました!?」

「今すぐサリエルを呼べ!!それから、ティアナをここじゃなくて教会に移すから。手伝って」

「わかりました」

「呼び出し係なら俺様に任せろ!」

後からやって来たバシンがゆったりと尻尾を振りながら申し出る。

「助かるよ」

こうして彼らはやるべき仕事をなすため散らばった。







 数分後、教会の祭壇脇にある小部屋に集まった悪魔達。

サリエルを呼びに行ったはずが、なぜかヴォラクとオセーまで連れてきたバシン。

「たまたま一緒だったのだ」

オセーが主張したが今のアンドラスにとって、そんなことはどうでもいい。

今すべきことは――。

「サリエル。君の『邪眼』でティアナの死体を凍らせてくれる?」

サリエルの能力。

『邪眼』。

彼の両目は、見つめた相手を不幸にしたり病気にしたり服従させたりと、色々効力を発揮する優れものだ。

敵を火炙りや氷づけにするのも、地震を起こすのも得意だったりする。


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