悪魔の熱情リブレット


「ティアナはちゃんと埋葬して下さい。なんならお手伝いしましょう」

そうしてティアナに近づいたサリエルをアンドラスは阻んだ。

「どうやら、君とは意見が相容れないようだね。それならそれで構わないよ。ティアナが腐る前にさっさとこの僕が魂を連れ去ってくればいいことだし」

不敵に笑む白い悪魔。

「アンドラス!!」

サリエルの苦い表情にアンドラスは高らかに宣言した。

「諦めないよ!僕はっ!!」

それからお気に入りの従者に命令をする。

「シルヴェスター、サリエルに埋葬されないようにティアナを見張ってて」

「わかりました」

シルヴェスターはいつでも主の味方だ。

「じゃあ、ちょっと行ってくるよ」

鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気で出口に向かう。



――天国へ…!





 愛する少女に再び会うため、アンドラスは剣を振るう道を選んだのだった。





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