悪魔の熱情リブレット
「では…貴方も賛成なのですか?」
ティアナの復活に。
意外だと言う口調で尋ねるシルヴェスターに、バシンは偉そうな態度で言った。
「フフン!俺様だってこんな性格だが立派に悪魔だぞ!?神が決めた人間の運命を覆してぎゃふんと言わせたいわけよ!」
彼は一旦言葉をおくと、苦しげな表情で「それに…」と続けた。
「お嬢ちゃんとあっさりお別れってのが…どうも納得いかなくてな…」
皆、気持ちは同じ。
ただ再び、少女の笑顔が見たいだけ。
「…のりましょう」
シルヴェスターの赤い瞳が真っ直ぐバシンを見つめる。
「そうこなくっちゃな!」
にやりと口角を上げたバシンは「サリエルを連れてくる」と言って魔界へ飛んだ。
サリエルは魔界の極寒の地にいた。
地獄というと熱くて炎が激しく燃えているイメージがあるが、ちゃんと寒いところも存在する。
氷で覆われた大地に佇み物思いにふける。
「アンドラス…気が変わってくれるといいのですが…」
自分もアンドラス同様、愛しい女性を失った。
ゆえに、愛しい相手を取り戻したいという思いを知りすぎているサリエルは、アンドラスの想いに共感できた。
しかし、方法が頂けない。