悪魔の熱情リブレット
(死体に命を吹き込むなど、強引過ぎます)
彼は悲しげに瞼を閉じた。
「サリエ~ル!って、うおおぉー!!めっちゃ寒いーーー!!!!!」
バシンのお出ましだ。
サリエルはやれやれといった調子で溜息を一つ。
「何のご用ですか?バシン」
「こ、こここ、ここから、でで出ない、か!!?」
寒すぎて言葉が上手く発せられない。
バシンは炎には強いが寒さには弱いようだ。
「…わかりました。貴方が話ができるところまで連れてって下さい」
この発言にバシンは目をキラリと光らせた。
「ならシャッテンブルクに…」
と言おうとした時だった。
「あれは…?」
サリエルがバシンの後方に何かを見たようだ。
「うん?」
気になり、振り返って彼も見る。
「なな、何だ!?あの光!!」
彼らが見たものは、上空から魔界の地に降り注ぐ一筋の光だった。
距離はかなり遠いがはっきりとわかる。
「アンドラスの気配がします!!」
その稲妻のような光から、サリエルは破壊の悪魔の魔力を察知した。