悪魔の熱情リブレット

(死体に命を吹き込むなど、強引過ぎます)

彼は悲しげに瞼を閉じた。

「サリエ~ル!って、うおおぉー!!めっちゃ寒いーーー!!!!!」

バシンのお出ましだ。

サリエルはやれやれといった調子で溜息を一つ。

「何のご用ですか?バシン」

「こ、こここ、ここから、でで出ない、か!!?」

寒すぎて言葉が上手く発せられない。

バシンは炎には強いが寒さには弱いようだ。

「…わかりました。貴方が話ができるところまで連れてって下さい」

この発言にバシンは目をキラリと光らせた。

「ならシャッテンブルクに…」

と言おうとした時だった。

「あれは…?」

サリエルがバシンの後方に何かを見たようだ。

「うん?」

気になり、振り返って彼も見る。

「なな、何だ!?あの光!!」

彼らが見たものは、上空から魔界の地に降り注ぐ一筋の光だった。

距離はかなり遠いがはっきりとわかる。

「アンドラスの気配がします!!」

その稲妻のような光から、サリエルは破壊の悪魔の魔力を察知した。


< 227 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop