悪魔の熱情リブレット
ミカエルはアンドラスと剣を交えながら思考する。
どうすればこのしつこい悪魔を体よく追い返せるだろうか。
(追い返す…?)
その時、彼の頭の中に逆転の発想が生まれた。
(そうか!)
神力を込めた剣で押し返しながらアンドラスに問い掛ける。
「アンドラス!お前の望みは死者の復活であったな!?」
いく度もの戦闘でアンドラス自身から聞き出した目的。
「だから…?」
蔑むように天使を見遣る。
「お前の望みを叶えてやろう」
「……は…?」
突然過ぎて、言ってる意味を理解するまでに数秒かかった。
「神にその人間の魂を転生するよう申請してやる」
「いきなり、何なのさ?」
裏がありそうな臭いぷんぷんだ。
「神の許しが出るまでしばし待て」
言うだけ言ってその場を去ろうとするミカエル。
「待ちなよ…!納得できないね。貴様の口約束を信じろと…?」
アンドラスは得物の切っ先を相手に向けた。
「僕は…自分の力で取り戻すよ!!」
剣を下ろした状態の天使長に容赦なく切り込む。