悪魔の熱情リブレット
「ミカエル様!!お止め下さい!!俺が彼を何とかします!ですから、もう少しだけ猶予を!」
突如現れ時間をくれと懇願する部下。
ミカエルはしばし沈黙してから許可を与えた。
「ありがとうございます!」
そしてアンドラスと向き合う。
「泣いている魂があるんです。その魂は繰り返し『アンドラス』という名を呼んでいます。…貴方のことでしょう?」
「ティアナの魂が…僕を呼んでる…?」
「はい。きっと、貴方に会いたがっているんですよ。お願いです。条件に従ってくれませんか?そうすれば彼女は人間の姿でまた貴方に会えます」
――恋はできなくとも…
鎧の天使はその言葉を飲み込んだ。
「転生したら前世の記憶は失われる」
そんな説得は無意味だとでも言いたそうなミカエルの発言に、彼は負けじと言い返す。
「ですが、それが今の彼女の願いなら聞き届けられてもいいはずです。俺が伝えるのは真実のみ。彼女の心がアンドラスに再び会うことを望んでいるということです」