悪魔の熱情リブレット

ヴォラクは白い羽をパタパタさせながら嬉しそうに聞いた。

「ティアナちゃんは何が食べたいの~?何でも出せるよ~!」

「とりあえず中に入りましょう。野外で出されても迷惑です」

シルヴェスターの意見に一同賛成し、アンドラスがくつろいでいた家へと入っていった。


 この家は三階建てで、とても広い。

玄関を入ってすぐ右手に居間があり、左手の奥には食堂がある。

台所は地下で、二階には客室や寝室が存在する。

この家の住人は金持ちだったので使用人を雇っていた。

ゆえに、日があまり当たらない三階の部屋は主に使用人の寝室であった。

 さて、一階の食堂に向かった悪魔達と一人。

もちろんヴォラクのペットは外で大人しく待っている。

そんな巨大ペットの主は長いテーブルを前にして言った。

「ティアナちゃんの好物はな~に~?」

ティアナは迷いに迷って答えを出した。

「スープ」

「スープ?肉を食べろ肉を!我が輩見たく強くなれないぞ?」

オセーが豹の尻尾をゆっくりと振る。

「欲がないな~。じゃあスープとその他諸々出しま~す!」

高らかに宣言したヴォラクが右手を上げた瞬間に、殺風景だったテーブルの上は豪華な料理で満たされた。


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