悪魔の熱情リブレット
「うわあ~!!」
思わず感嘆の叫びが上がる。
注文したスープ以外にも、牛肉や鶏肉、焼きたてのソーセージ、この地方で有名なロールキャベツ、新鮮なサラダに付け合わせのふっくらしたパン、それにぶどう酒まで現れた。
「へえ、最近の人間はこんなの食べてるんだ」
アンドラスがパンを手に取りじっくり眺める。
「さ~て、仕事終了~!ボクは魔界に戻ろうかな~」
「あ、待てヴォラク」
さっさと帰還しようとするヴォラクをアンドラスが引き止めた。
「君、これから毎日朝と夕の二回、ティアナのために料理を出しに来てよ」
「え~!?」
純粋に驚くヴォラク。
「それから、オセー」
「何だ?我が輩には用はないだろう?」
「大有り。三日に一回くらいは来てほしいんだ。ティアナの教育係として」
「はあ!?」
いまいち意味が理解できないオセー。
「だから!ティアナに勉強教えろって言ってんの!馬鹿に育たないように!」
「何で我が輩が!?シルヴェスターでも良いだろう!」
なかなか頷きそうにないオセーにアンドラスは攻め方を変えた。
「オセー、君は文武両道の優秀な悪魔の将軍だ。その秀でた才能を使わず腐らせるなんてもったいないな…」