悪魔の熱情リブレット



 星が瞬く幻想的な夜のこと。

アウレリアは自分の寝室で安らかに眠っていた。

その日、幼なじみのエーリヒと婚約し、式は来週挙げることに決まった。

互いに好き合っていたため縁談はスムーズに進み、幸せいっぱいのアウレリア。

そんな彼女の寝所に忍び込む怪しい影。


――ティアナ…


寝ている彼女の意識に入り込んで囁く声。

(…ティアナって…だ、れ…?)

眠りながら考える。


「ティアナ…」

やけにはっきりと聞こえた声に、アウレリアはうっすらと目を開けた。

「僕のティアナ…」

誰かが自分の上に馬乗りになっている。

わかったのはそれだけだった。

アウレリアはその誰かに素早く目隠しをされ、何も見えなくなった。

「だ…れ…?」

視界が奪われ上擦った声が出る。

「怯えてるの?カワイイね」

耳に吹き込まれる美声には惹かれるが恐怖が勝り、震えた。

「ティアナ…今から僕は…」

心地良く感じた声が告げたのは、とんでもないことだった。




「君の処女を破壊する」


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