悪魔の熱情リブレット
(もう一度会ってみたい…)
そして結婚前の自分を辱めたことを怒ってから聞いてやるのだ。
――あなたは誰…?
いつも穏やかで明るい天の国。
しかし、この日は雨でも降りそうなどんよりとした雰囲気が全てを覆っていた。
原因はある天使の裁判。
「天使アンドラスは人間に扮し、女と交わり禁忌を犯した」
ミカエルが神の前で罪を述べる。
「これは赦されざる行為であり、堕天に処すのが相応しいかと」
再びアンドラスを堕天させるというミカエルの提案に罪を犯した天使は笑う。
(さあ、神よ。僕をまた堕天させるがいいさ)
徐々に取り戻す悪魔の表情。
「そして、相手の女には罰を与えるのがよろしいでしょう」
ミカエルの言葉に鋭く反応したアンドラス。
(やっぱりティアナを裁判に出してきたか…)
予想していたため彼は落ち着いて発言した。
「異議ありだね。ティアナ…アウレリアは僕に無理矢理犯されたんだ。彼女は必死で抵抗してたよ?それでも、罪に問うって?天使長様が無実の少女に罰を与えるの?」