悪魔の熱情リブレット
天使の時と姿はあまり変わらず、鎧を身に纏っているライナルト。
しかし兜は装着していない。
真っ白な翼もない。
彼は悪魔らしからぬ穏やかな表情で言った。
「良かったよ。二人が、また出会えて…」
「はい。本当に…」
シルヴェスターも相槌を打つ。
それから彼は、じっとライナルトを見つめて告げた。
「……ありがとうございました」
突然の礼に目をしばたたかせるライナルト。
意味がわかっていない彼に、シルヴェスターは付け加えた。
「主の魂を救っていただいて…」
ようやく理解してライナルトは首を縦に振った。
「ああ、そのことか」
彼は謙遜するように言葉を返した。
「礼なんていらないよ。俺はティアナのために必死だっただけだから…」