悪魔の熱情リブレット
突然、居間にある電話が鳴った。
老婆はゆっくりとした動作で受話器を取った。
「もしもし…」
『あ、おばあちゃん?リーゼだよ。先に帰っちゃうからびっくりしたよー』
孫娘からの電話に、老婆は表情を和らげた。
『それで、どうだった?おばあちゃんの感想を聞きたい!やっぱり、没…?』
恐る恐る尋ねるリーゼ。
「そうね…」
老婆はオペラを思い出し、涙を流した。
「ありがとう…」
『え?おばあちゃん?それ感想じゃないよー?おばあちゃーん?』
泣いてしまったため、それ以上言葉が続かなかった。
アウレリアは涙を必死にとめようとしながら言った。
「良かったわ…」
〈END〉