悪魔の熱情リブレット
「いい加減にしてよ!!というかサリエル。君は何しに来たの?まさか僕に神を崇めろなんて説教垂れに来たわけじゃないよね?」
うっとうしそうな声色で尋ねるアンドラス。
「基本暇ですからね。そんな時はこうして悪魔達に宣教を」
「馬鹿でしょ。誰が聞くのさ?全く…好きな女の魂でも愛でてればいいものを」
盛りつけた料理をシルヴェスターが運んでいくのを眺めながら呟く。
その時、ティアナがアンドラスの服を引っ張った。
「夕食…」
食べるから食堂に行くと断りを入れる。
「ああ、食事ね。僕も行くよ」
「私もお邪魔していいですか?」
裏がありそうな笑顔でサリエルが問い掛けた。
「…いいけど。何か企んでないよね?」
素直に吐くわけないかと思いつつ、とりあえず聞いてみる。
「ティアナと仲良くなろうと思いまして。ある程度親密になってから教会へ連れていきます」
「なっ!?貴様、何が何でもティアナに礼拝させたいのか!?」
「心配いりませんよ。悪魔と人間の恋に神は干渉しませんから」
しれっと言い放つサリエル。
「ティアナが神を礼拝しても心置きなく彼女を愛せますよ?」
天使と人間の恋は禁忌とされているが悪魔と人間は天上の神の束縛を受けない。