悪魔の熱情リブレット
「何!?ティアナが病気!?」
豹の悪魔オセーが驚いて飛び上がった。
今日はオセーが教養を教えてくれる日である。
「どうやら風邪のようなんです」
現在、二階のティアナの部屋にいるシルヴェスターとオセー。
風邪をひいているティアナはベッドで大人しく眠っている。
「朝なかなか起きて来ないと思ったら、ぐったりしていました」
「原因は何だ?」
オセーの質問には一階から薪を持ってきたアンドラスが答えた。
「昨日雨が降ってね。そのせいで全身びしょ濡れになったんだよ。全く…濡れるだけで病気になるなんて、脆弱だよね。人間って」
薪を暖炉に焼べながらアンドラスは愚痴を零す。
病気に対して知識の乏しい彼らはとりあえず室内を暖めるため暖炉を使用した。
今の季節は秋。
暖炉を使うにはまだ早い時期であったが、病人がいるならそうも言っていられない。
「オセーは知らない?人間の風邪の治し方」
アンドラスの問いにオセーはすまなそうな表情をした。
「わからない。我が輩が得意なのは神学と教養学だ。薬学に詳しい悪魔を呼んだほうが良いのではないか?」
「薬学…?」
記憶をたどるも、知り合いに適当な悪魔が見つからないアンドラス。